-
新規事業を立ち上げる中で、苦しかった“壁”や学んだことは?
新規事業を立ち上げる中で、一番の壁は「たくさん動いているのに成果が出ない」という現実でした。
当時は成果のためにやっているつもりでしたが、よくよく振り返ると、行動量や頑張りに満足してしまい、「何の成果を出すためにやっているのか」が無意識に置いてけぼりになっている自分に気が付きました。
大事なのは、動いた“量”ではなく、動いた“結果”。
そこから常に「成果は何か」と自分に問いかけるように変えたところ、「何を捨てて」「何に注力すべきか」や「それまで浮かばなかった工夫」が見えてきて、結果も変わっていきました。「成果に基づいた思考」を学んだ経験でした。採用・人事評価制度で「これはやってよかった」と思う工夫は?
採用についてですが、できるだけ多くの中核社員や有望な若手社員を巻き込むよう提案しました。
人事部だけでなく、実際に現場で活躍する社員たちが「この会社にどんな人が必要か」を考え、自ら面接にも関わることで、採用が“未来をつくる活動”として全社的な取り組みに変わったのです。それにより社員の当事者意識も高まり、入社後のミスマッチも減りました。
人事評価制度では、評価結果を「仕事における健康診断」と捉え、評価数値を個人単位で終わらせるのではなく、組織全体で分析し、例えば「会社全体で〇〇の意識が低下している」「この部門では△△が疎かになっている」等の傾向を発見。
その結果を部門長へフィードバックを行うことで、問題が起こる前に早期に手を打つことができました。
-
なぜ人の成長にこれほど深く関わりたいと思うのですか?
キレイに回答することもできますが、正直なところ、私が本質的におせっかいな性格だからです(笑)。
特にお客様の「頑張っているのに成果が出ない人」や「変わりたいのに変われない人」を見ると、つい力になりたくなってしまいます。人が変わるには“心”と“仕組み”の両方からのアプローチが必要なので、対話を通じて気づきを促すこともあれば、制度や仕組みを整備することで背中を押すこともあります。人は想いだけでも変われないし、制度だけでも前に進めない。だからこそ、その両輪で関わることで、成長や変化に寄り添っていきたいなと思っています。
新しいことを“やり切る”ために自分なりに意識していることは?
やりきるための意識と聞かれても、正直あまりピンとこないんです。
お客様のことを考えると、やり切るのが当たり前で責任だと思っているので、意識するというより「それは当然」という感覚に近いです。でも、強いて言うなら――そのエネルギーを絶やさないために、意識して“うまくサボる”ようにしています。
やらないことはやらないと決めたり、仲間に甘えさせてもらったりすることで、結果的に長く走れるんですよね。やり切るって、意志の力だけじゃなく、続ける工夫も含めての話だと思っています。
-
将来の展望(なりたい姿)について、将来どうなりたいかと聞かれると、実は役職や立場にはあまりこだわりがありません。
大事なのは“どうありたいか”。
知性と余裕を持ち合わせた、ちょっとダンディな大人でありたいなと(笑)。そのうえで、組織における専門性を高め続け、構造や戦略の力で人やチームを動かせる存在になりたい。本質的にものごとを動かせる、そんなリーダー像を目指しています。 -